芝倉沢右俣・武能沢(天神平〜谷川岳〜一ノ倉岳〜茂倉岳〜芝倉沢右俣上部滑降
                 〜武能岳〜武能沢滑降〜土合)
3月22日
コースタイム:スキー場7:40〜谷川岳9:35・10:00〜一ノ倉岳〜茂倉岳11:30・11:50〜芝倉沢右俣滑降
        〜武能岳13:15・13:40〜湯檜曽川14:20〜土合15:15

例年ならば3月は谷川通いが多いが、今年ははじめての谷川岳である。高速から見るとだいぶ黒々しており、かなり雪が
落ちたようで気になるところだ。
駐車場でバッタリ石田氏と遭遇。彼らのパーティーは赤谷川源流越えのルートらしい。
谷川岳の登りは、ゲレンデ内のシール登高で一汗かくところから始まる。1箇所ある急な下りは、いつもならシールのまま
下れるが、今日は雪が少なく担いで降りる。
その後は休憩を取りながらシール登高で山頂着。天気が良く、富士山や北アルプスも望む事が出来る。
当初、万太郎谷方面を考えていたがデブリが多く予定を変更し一ノ倉岳へ向かう。いつも通りノゾキ沢源頭付近を目指して
トラバースして行く。ここは条件によっては危険であるが、今日は問題なく稜線を歩いている先行パーティーを追い抜く。
アイゼンに履き替えて一ノ倉岳へ登るが、気温が上がって足が潜って歩き難い。山頂で小休止し茂倉岳へ向かう。
クレバスが新雪に隠れているため要注意である。1箇所踏み抜いたが、大事に至らず山頂へ到着。
こちらの展望も素晴らしく、巻機山や越後駒ケ岳が近く今日は日本海まで見渡せる。
十分休憩し、まずはファーストステージの芝倉沢右俣へ。雪庇に注意しながら尾根上を滑降していると左側の茂倉谷に
登高中のスキーヤーがいる。土樽からだろうがもう少しの辛抱だ。
大岩を回り込むと芝倉沢右俣。上部は新雪で気持ちの良いターンを刻む。標高が下がりやや雪が重くなったら左へ
トラバースし笹平付近の尾根へ上がる。

            

                       芝倉沢右俣上部にシュプールを刻む

ここで山スキーヤーとすれ違う。茂倉岳滑降らしいが、雪崩のリスクを回避するため武能岳越えで登り土樽へ戻るらしい。
笹平付近も雪に潜って歩き難い。それほど遠い距離ではないのでツボ足で行くがシールの方が正解だったようだ。
雪壁を登り切ればまもなく山頂であるが、ここもクレバスが多くダンゴのアイゼンで慎重に歩き待望の武能岳到着。
振り返ると芝倉沢には何本かのシュプールが見える。蓬峠方面も緩やかな稜線を見せている。

            

                     武能岳から一ノ倉岳、茂倉岳と芝倉沢

            

                        山頂で記念写真

テルモスの紅茶と行動食でのんびりくつろいでカロリー補給をする。
本日のハイライト、武能沢滑降である。クレバスを避け尾根の北側からドロップイン。雪は思ったより締まっており斜度が
あるので慎重に高度を下げる。

            

                        武能沢上部急斜面を振り返る

いよいよ核心部のノドである。転倒は許されないので、ここはジャンプターンを交えながら通過していく。

            

                      ノドの通過は吸い込まれるような斜面である

以前、滑った時より雪が硬いせいか緊張感がある。ノドを通過してからは雪崩溝で滑り難い上、午後になり日が陰った
ためアイスバーンとなり嫌らしい。まだまだ気を抜けない。

            

                    雪崩溝とアイスバーンで緊張感のある滑降が続く

何とか急斜面を通過し、ここから中斜面の快適滑降になるはずであったが、なんと沢はデブリだらけで愕然。

            

               核心部を越えてほっと一息、しかし、この下は更に大きなデブリ帯

最初は左から巻いて行くが、今度は左側の沢からのデブリが合流。ここからはデブリを渡り時々高巻きを何度か繰り返し、
やっとデブリ帯を通過。沢に下りると蓬峠越えのスキーヤーのシュプールが数本ある。
ここから残り少ない滑降をロングターンで飛ばしていくとまもなく湯檜曽川に出て大休止。結局、武能沢の約半分はデブリ
に覆われていた。

            

                         やっとデブリ帯を通過

通い慣れた湯檜曽川沿いに35分程スキーを滑らせれば土合到着。そこから10分の車道登りでもう一汗かけば
駐車場到着。

2年前に同じルートを滑っているが、今日は条件的に難易度の高いルートであった。