先々週の武能沢滑降の時に、反対側の檜又谷もいずれはと思っていたが、こんなに早くチャンスがくるとは思わなかった。
ある程度の偵察にはなったが、核心部の急斜面が見えないのでどんな状態か不安で、そこの通過がポイントとなる。
自宅を4時に出て、土樽の車道脇に駐車スペースを確保し7:30出発。
快晴の中、蓬沢沿いを緩やかにシール登高していく。蓬峠へは尾根ルートよりイイ沢を詰めたほうが早いらしいが、蓬沢
上部で3つに分かれており、どの沢か迷ったが、結局、雪の緩んでいそうな左の沢から登り、最後は、シールが効かず
スキーを担いで稜線に上がる。稜線を5分ほど南に歩くと蓬峠ヒュッテで、中央か右の沢のほうが正解だったらしい。ここで
行動食休憩。
正面の朝日岳、笠ヶ岳、白毛門など迫力がある。目指す武能岳と一ノ倉岳方面も素晴らしい。先々週滑降した武能沢が左に
落ち込んでいるが、見えるのは頂上付近のみで谷の中にその姿を隠している。
蓬峠ヒュッテ
目指す武能岳と奥に一ノ倉岳
再びシール登高開始。ほんの少しに見えるが、どうした事か吐き気がしてペースが上がらない。木曜日の深酒と睡眠不足
のまま昨日も睡眠なので疲れが出たのか?行動食の大福が胃おもかったか?結局、何度も休みながら1時間を要して
武能岳山頂到着。まずは休憩で体力の回復を待つ。
今日も快晴無風でこの体調でものんびり出来る。芝倉沢には既にシュプールがあり快適そうである。仙ノ倉のシッケイ沢
方面はさすがに確認出来ない。
左から万太郎山、仙ノ倉山、平標山
30分ほどの休憩で何とか体力が回復し滑降準備を整える。
平らな山頂の南側でスキーを付け滑降開始。ここから笹平へは雪付きが悪いうえ、クレバスも出ているのでジャンプターンで
慎重に高度を下げる。
笹平付近から降りてきた武能岳。クレバスに注意しながらの滑降である
笹平からいよいよ檜又谷の滑降である。まずは手前の大斜面をザラメ雪にショートターンを刻む。じきにルートは何本か
のルンゼ状となっており、下までつながっていないと悲惨な事になってしまう。上部の状況から推測し、あとは運に任せるし
かない。まずは右の武能岳側の沢に入って行く。そこそこ幅もありまずまずの滑降が出来る。その後、少し右にルートを
取ると一直線に本谷に繋がっているのを確認出来る。簡易傾斜計で確認すると平均斜度は40度ぐらいで、大事はなさそ
うだ。重い雪で快適とはいかないが、急斜面にシュプールを刻む。
檜又谷上部を振り返る
ルートはルンゼ状となる。ここは右の沢を下る
この沢は幅もあり、正解のようだ
広い谷に出て、最後の急斜面を振り返る
広い谷に出てしまえば核心部は終了。そのあとは達成感に浸りながらロングターンでのんびり滑降。やがて気温が上がり
スキーの滑りが悪くなり、ほぼ直滑降で下り蓬沢と合流。ここで日向ぼっこをしながら大休止。
中間部以降は広い谷をのんびり滑降
あとは15分ほどスキーを滑らせれば土樽でフナーレ。
いつの間にか体調は回復し、旨いビールが飲めそうだ。