岩小屋沢岳・奥小沢(扇沢橋〜扇沢〜種池山荘〜岩小屋沢岳稜線〜奥小沢〜扇沢〜扇沢)
5月12日
コースタイム:扇沢橋6:10〜種池山荘10:30・10:45〜岩小屋沢岳稜線11:30・12:15〜奥小沢滑降〜扇沢合流13:00.・13:20〜扇沢橋13:40

先週、爺ヶ岳に向かう際に扇沢上から左に白い魅力的な斜面が見え後で確認すると岩小屋沢岳稜線からの奥小沢源頭のだった。先週の段階
では沢は何とか繋がっていたが日曜日の雨でどのぐらい雪が減ったのか心配であるが扇沢ルートだけでも十分楽しいでの今週も扇沢へ。
自宅を2:10に出て扇沢橋に5:50到着。準備をして、早速右岸の作業道を登る。雪解けが進み扇沢の雪渓末端は200m程上流に移っていた。
ここからシール登高。すぐに左側に岩小屋沢岳と奥小沢が見えて来た。中央部のノドの部分は途切れていそうだが、左岸側は何とか雪が繋
がっているのが確認出来る。正面は雪崩溝で荒れているが左岸側はそれがなく滑降にも良さそうだ。
先週同様、1800m付近からアイゼンで尾根に取り付き、あとはひたすら急な登りが続き辛い。稜線手前から再びシ−ルで少し登るとやっと種池
山荘到着。時間的には体調の悪かった先週とあまり変わらないが、前回は疲労困憊状態だったが今日はまだまだ元気。更に先の眺めの良い
ポイントで大休止。

       

                              扇沢を行く、先週よりだいぶ雪は減った


       

                                    やっと種池山荘到着

ここからの剱、立山は素晴らしい。また、岩小屋沢岳へ向かう稜線の北面は山スキー向きの斜面がいくつもあり、種池山荘がやっていたらここを
ベース滑り尽くしたいところだ。

       

                     剱、立山も良いが手前の稜線には素晴らしい滑降斜面がいくつもある

雪庇に注意しながら一旦下り、滑降にも良さそうな斜面を登り返すとやっと岩小屋沢岳が見えてくる。なだらか稜線上を少し進みエントリーポイント
を探す。山頂は雪崩溝と雪庇で不可。扇沢から見えていた目標のポイントは手前側であるが雪庇上なので踏み抜かないように注意しながらチェック。
ほとんど雪庇が張り出しているが1箇所だけ弱点がありここしかない。しかし、すぐ下にスレバスの末端があり要注意だ。

      

                        エントリーポイントから岩小屋沢岳と奥小沢源頭の稜線

そうと決まったたら滑降準備をしてエントリーポイントへ。斜面自体は45度強?だがエントリー部分は雪庇の影響で部分的に50を超えており久々
の緊張感。更にその先のルートがほんとに大丈夫か不確実だが、下から見えていたラインを信じて行くしかない。
意を決してドロップ。転倒は許されないので斜滑降で斜面に飛び出す。何とか転倒せず一息。湿雪雪崩の状況を見ながら数ターンテストしたが
クレバスが現れ一瞬肝を冷やすがジャンプターンで躱す。予想通り雪崩は出るものの足元を救われる程ではなく今度は一気に滑降。予定通りノド
を避け少し左へトラバース気味に滑り再びフォールラインへ。

     

                              エントリーポイントを振り返る


     
 
                                     下部を覗く


     

                             トラバース気味に滑降し振り返る


     

                                  奥小沢上部斜面

上部は締まった雪質だったが2200mあたりから雪が重くなり湿雪雪崩もも多くなってきた。雪崩をやり過ごしながら滑降を継続。下部が見えないので
どのラインが雪の繋がったルートか分からなく尾根上からルートチェックしながら滑降。この辺りからクレバスも時々出てくるため慎重に滑る。やがて
更に左にルートを取り大きな雪崩溝を越えると奥小沢本流に出た。

     

                             奥小沢中間部、雪が重くなり湿雪雪崩が増えてきた


      

                                本流に出る。ルートは右から


      

                              何とか本流に出られたが、今度はデブリ地獄

滑降の危険ポイントは回避出来たのとルートが繋がり少しホッと出来るが、昨日の雨の影響か?ここからのデブリ帯はひどい。扇沢からの朝の
チェックでは日陰でよく見えず滑れそうに見えたが実際にはかなり荒れており横滑りを交えて高度を下げるしかない。それでもどうにもならない
場所は2箇所ほど歩きを強いられる。
スキーのソールは落石で傷だらけになったが、折込済で今回は傷んでも良いスキーなのであまり気にならない。
古いデブリ部分まで来たらやっとスキーが出来、扇沢の合流点までしばし滑降。やっと安全地帯到着。
そう言えば、今日は大福1個と干し芋ひと切れしか食べてなかったが、安心したら急に腹が減ってきて大休止。
ハーブティーも旨い。

                

                                      扇沢と合流し記念写真


      

                                      滑降ルート


      

                                     GPSトラックデータ

少し滑れば雪渓末端で、後はスキーを担いでのんびり扇沢橋へ。
スキーと靴を流水で洗いのんびりしていると、扇沢駐車場方面来た村石さんとまちゅらおさんが気がついて停車。堀米さんと3人でスバリ岳方面
だったらしい。この3人だったら相当のスピードだろう。

今日は久しぶりのエクストリームルートで緊張を強いられたが無事予定を達成出来大満足。
明日も休みなのでいつもの超格安温泉民宿で山菜てんぷらで乾杯。