3:45自宅を出て、8:50シール登高開始。今回は、碇谷さんの一周忌追悼山行であり、いつもにもまして安全には慎重を期す。
時々、稜線はガスられるものの、概ね晴れベースで風も弱く汗が噴出す。丸山ケルンあたりから不帰Vを見るとA、B、Cルンゼ
は雪崩溝があり、あまり快適そうではなくDルンゼが良さそうである。丸山ケルンを過ぎ一登りすると稜線が狭くなり、アイゼンに
履き替えて登る。
丸山ケルン付近から不帰V峰、右からA,B,C,Dの各ルンゼ、滑降は左手前Dルンゼ
主稜線に出るとさすがに風が冷たいが、正面に見える剣、立山に励まされ山頂を目指す。山頂に着く頃には残念ながらガスの
中で視界がない。時々明るくなり、回復を待つが、寒さに負けてとりあえず不帰V峰とのコルのDルンゼまで5分ほど下り。
稜線の唐松沢側に入ると風が遮られて一息。しかし、視界がなく、この状態で暗い谷に滑り下りるにはリスクがあり天候の回復
を待つ。15分ほどすると徐々に視界が出てきて急いで準備を整える。雪質はザラメで、積雪内には顕著な弱層はなさそうで
ある。トラバース気味に斜ルンゼに入り滑降開始。多少、溝状になっているが幅が広く問題ない。ザラメ雪にショートターン、
ロングターンを刻み滑降する。
Dルンゼ上部から滑降斜面
上部エントリーポイントを振り返る
A,B,C,D各ルンゼの合流点までくるとデブリが出ており避けながら右岸を滑降。少し下りデブリを横断し、今回の目的である
追悼現場付近に到着。ここで雪のケルンを作り、持参した、花、線香、ビールを供え、手を合わせて冥福を祈る。ここは雪崩の
巣であり、あまり長居が出来ず、早々に滑降開始。
ここから再び右側に出てデブリを避ける。トラバースを交えながら滑降し、デブリ帯を通過した後は、湿った重い雪となりスキー
の滑りが悪くなる。更に下り八方沢との合流点が近づくと猛烈なデブリで、まるでブルドーザーで削ったような斜面で例年にない
状況に、この後の南滝以降のデブリ帯の状況が懸念される。
デブリを避けながらの滑降となる、正面はDルンゼ
八方沢との合流点付近奥は、不帰沢
例年は、そろそろ南滝が出てくるが、今年は雪が多く問題なく通過出来る。その後の懸念したデブリ帯は例年並であり、横滑り
を交えて難なく下り奥二股へ、ここの沢も埋まっておりスキーを脱がずに越え大休止。
振り返ると天気は完全に回復し山頂方面は雲一つない。もう少し待てば山頂からのパノラマが拝めただろうが、今回は、安全に
下れただけで、目的を達成しており悔いはない。
この後、二股までの林道を雪を拾いながら30分ほど滑降しフィナーレ。いつもながら、ここから振り返る不帰の瞼は迫力があり、
そこを滑降してきた事が信じられないくらいである。「小日向の湯」の横で後片付けをしていると、ずっと前後しながら下っていた
2人パーティーの鍋島さんの車で駐車場まで乗せてもらい感謝。