GPSトラックデータ
3時に自宅を出て猿倉の駐車場に7時過ぎに到着。ここで同じRSSAの田宮さんらのパーティーと遭遇。予定では白馬沢方面
のようである。
駐車場からシールを付けて出発。小蓮華山へのは、栂池からか金山沢を登ったほうが楽で早いが、デブリや落石が問題となる
下部を確認しながらとなると、大雪渓から白馬岳を経由してのルートとなる。
4月の八方尾根から見る小蓮華直登ルンゼ
林道から大雪渓に入って少し登ると小蓮華直登ルンゼが見えてくる。例年この時期の下部は、デブリや落石で黒々してい
るが、今年はそれほどでもなく滑降可能と判断。(後でこれが、自然の甘い罠だと分る)
葱平で一旦スキーを担いで、アイゼンで登り、斜度が緩んだら再びシール登高。村営小屋付近は疲労のピークで急激にペース
ダウンし、なかなか足が出ない。
やっとのおもいで白馬山荘到到着。天気は良いが、さすがに風が冷たく熱いハーブティーが心地良い。デジカメを忘れたので
山荘でインスタントカメラを購入。無駄な投資であるが、売ってて良かった。今日のルートは初めての滑降なので記録は残し
たいところである。
休憩後、スキーを担いで山頂へ向う。いつもならちょっと登って二号雪渓であるが今日は先が長い。スキーヤーが二号雪渓の
滑降準備中である。数年前まではシュプールを見る事はなかったが、山スキーMLの影響か?
白馬岳山頂からは、なんと言っても立山、剣が素晴らしい。今日は日本海方面は見えないが白馬連峰の先に槍ヶ岳などの
北アルプス南部の山々が見える。眼下には遥か下の大雪渓の登山者が蟻のようである。
白馬岳から小蓮華山
山頂での展望も早々に稜線を小蓮華山に向う。ほぼ夏道通りであるが、8割がた雪道で痛めている膝には丁度良い。三国境
までは下りで、そこから小蓮華山まで緩やかな登りであるが疲れた体にはこれでも効く。
14:15待望の山頂着。稜線とは違って風が弱く暖かい。
小蓮華山から白馬岳を振り返る
ここから見る白馬岳は主稜を従えて迫力がある。白馬乗鞍や栂池方面は、だいぶ雪が減っており山スキーも終わりのようだ。
十分休憩し、準備をしていよいよ滑降である。
山頂付近から覗くと、直登ルンゼは、ほぼ1直線に落ち込んでおり中間部から下は確認出来ない。出だしが最も斜度があり、
そこをクリアすれば何とかなりそうである。久々の緊張感の中、ルンゼ飛び込む。斜度的には50度ぐらいで何とかなるかと
思ったが、午後で気温が下がったせいか雪質が、プチモナカ状態でこのまま突っ込むのは危険である。少し左側の斜面が
日当たりが良さそうで、トラバースすると昨日の積雪で腐っているがプチモナカとは雲泥の差である。
いいよ滑降開始。ショートターンで一気に下る。雪が重い分滑落の危険は少なくスピードにのる。200mほど下ると多少斜度が
緩み45度程度か?一旦停止し振り返ると次々と自分が落とした雪が、小雪崩や雪だるま状に落ちてくるので追い越される前に
滑降を続ける。
ルンゼ上部から滑降ラインを覗き込む
ルンゼ上部を振り返る
中間部までは快適であったが、太い雪崩溝が見えはじめるころからクレバスと落石で悩まされ一転、スピードダウン。特に落石
は、昨日うっすら降った新雪の下に隠れて見分けがつかず、何度となく踏んでしまいスキーのソールはボロボロである。大雪渓
からの確認は甘かった。
中間部から下部を見るこの辺から落石地獄
最後の、黒々した斜面を乗り切ると右側から白馬沢と合流し大斜面となり安全地帯で一安心。
ここからロングターンでのんびり下り2〜3分で大雪渓に合流し、あとは林道を猿倉までスキーを走らせる。猿倉の直前で再び
田宮さんらのパーティーと偶然合流。予定を変更して大雪渓方面から下って来たようだ。
条件が整わず、なかなか実現しなかった小蓮華山直登ルンゼの滑降が出来て満足であった。時期的には落石の少ないもっと早い
時期ベターであるが、雪崩のリスクが高くなる。
この後は例によって温泉とビールで乾杯。