立山(山崎カール、御山谷、御前谷)
5月27日(室堂〜雄山〜山崎カール)
5月28日(室堂〜浄土山〜御山谷〜一の越〜雄山〜御前谷〜タンボ平〜黒部平)
コースタイム
5/27 室堂山荘10:35〜一の越11:25・11:45〜雄山12:30・12:55〜山崎カール〜山荘13:30
5/28 室堂山荘7:40〜浄土山8:50・9:15〜御山谷〜一の越9:45・10:05〜雄山10:55・11:30〜黒部平12:15
前日から風邪ぎみであったが、せっかくの休みなので今シーズンのフィナーレを立山でと出かける事にする。
5/27
4時に自宅を出て、8時のトローリーバスに乗る。途中、2週間前に猿倉の駐車場で隣になった細川さんパーティーと再び
遭遇。雷鳥平でテントベースでのスキーらしい、私の方は、相変わらずの気楽な山小屋ベース。室堂に到着するとガスで視界
が悪くひとまず室堂山荘へ。荷物の整理をしていると明るくなって来たので、行けるとこまでと一の越を目指す。すっきり晴れる
ところまで行かないが、徐々に視界も出てきて時々、雄山の社務所が見えて来た。一の越で休憩後、スキーを担いで山頂を
目指す。稜線の雪も少なくアイゼンは不要でひたすら山頂目指す。雄山山頂に着く頃には小雪が降り始めて来たが何とか
視界があり滑降には支障がない。
準備をして、社務所の裏から山崎カールへ滑降開始。

             

                             上部から山崎カール     

数日前の雪が落ち着いてなく、多少重い雪質であるがまずまずの滑りでハイスピードで飛ばす。ローソク岩を過ぎると斜度が
緩みロングターで加速しコースを左に取る。このあたりから雪が腐って滑りも悪くなりひたすら高度を下げる。下りきった地点
からスキーを担いで登り始める。途中一緒になった新潟のスキーヤーと会話しながら歩いていると雷が鳴り、あられ降り始
めた。今頃山頂に居たらパニクッてたに違いない。今日は、ちょっと早いがビールと昼寝を貪る。風邪ぎみにはちょうど良い。

5/28
体調も回復し、快晴の中シールで浄土山目指す。
最初は、雪が硬くシールが効かなかったが30分程で、徐々に雪が緩み歩きやすくなる。一の越へのルートと別れ右の沢を
詰めて山頂へ。
快晴微風の山頂からの眺めは素晴らしい。特に、五色ヶ原ごしの薬師岳は迫力がある。今日は、槍ヶ岳から水晶、笠ヶ岳、
黒部五郎、白山などがくっきり見える。

             

                     浄土山から五色ヶ原と薬師岳、左奥は黒部五郎岳


             

                                 白山も見事


             

                           笠ヶ岳や水晶岳をバックに記念写真

テルモスのハーブティーを飲みながら、独り占めの山頂でのんびり景色を楽しむ。十分景色を堪能したら準備をして滑降開始。
昨日の雪質とは違い、締まった最高のザラメで快適そのもの。ハイスピード滑降には丁度良い斜度でショートターン、
ロングターンを自由自在に刻み一気に滑降。

             

              浄土山から御山谷への上部斜面、この時期には珍しい真っ白なザラメ斜面


             

                             快適斜面はまだ続く

左から一の越のルートを合わせると斜度も緩み滑降終了。短いが最高の斜面であった。ここから再びシールを付けて20分程
登り一の越到着。今日は風も弱く大勢の登山者がくつろいでいる。
休憩後、スキーを担いで雄山までの最後の登りを頑張る。昨日より荷は重いが体調も良く快適に高度を稼ぎ山頂到着。
昨日とは打って変わっての大パノラマである。暖かい山頂で行動食を食べながら大休止。

             

                     雄山からの浄土山方面と先ほどの快適斜面(左側)

いよいよ今シーズン最後の滑降である。重い雪質を懸念し十分ワックスを塗って、社務所前から御前谷にドロップイン。予想
通り重い雪質であるが、スキーが滑り一気にトップスピードで滑降して行く。急斜面はあっという間に終わりルートは左に曲がる。
中斜面となる。

             

                             社務所から御前谷を覗く


             

                              御前谷上部を振り返る

左にコースをとってから、新雪が少ないのか、谷の中で日が差すのが遅かったせいか、雪が締まって来て快適なザラメとなり、
更に時々、シャリーンという音のフィルムクラストまで表れ広い谷に自分だけの自由気ままなシュプールを刻み最高の気分で
ある。

             

                       ザラメ、フィルククラストと快適な御前谷の斜面

2500m付近から右の斜面にトラバース。腐った雪質で滑りが悪い上にズルズルと雪崩を誘発し嫌らしい。大汗をかいて尾根
に出ると眼下に黒部湖、タンボ平、ロープウェーが見えて一安心。ここでのんびり休憩。大汝山方面は新雪のデブリだらけで
あり当初の予定を変更し、雄山からのルートで正解だったようだ。白馬、五竜、唐松、鹿島槍など後立山の名峰が一望で気持
ちが良い。
ゴールが見えて来たとはいえ、まだまだ40度以上の斜面がタンボ平まで続いており、気を引き締めて滑降開始。
雪質は、さっきまでの新雪がなく、雨溝やデコボコが出て来て快適とは言えないが、ロープウェーのギャラリーにぶざまな姿は
見られたくないので、パンパンに張った太ももで頑張る。ほとんど斜度の無くなったタンボ平のデコボコ斜面に出て、最後に
スキーを担いで一登りで黒部平。今シーズンのフィナーレである。
黒部ダムから振り返ると、雄山からの上部滑降斜面を望め考え深い。気のせいか見える筈の無いシュプールが見えるような
気がする。
新緑の扇沢を後に、温泉とビールで今シーズンのフィナーレに乾杯。