涸沢ヒュッテから北穂高
ジャンダルムをバックに奥穂高山頂
北穂沢からかすかに自分のシュプールが見える
ルンゼ下部からアズキ沢へ続く吸い込まれるような斜面
滑降ルート
山行報告
山頂からの乗鞍と御岳
2001年 5/11〜13 穂高(奥穂直登ルンゼ、北穂沢)

5/11くもり夕方雪
4時前に自宅を出発し上高地8時。8時15分スキーと兼用靴を担ぎ、運動靴で歩きはじめる。
横尾から兼用靴を履いて本谷を目指すが、このころからGWに痛めた腰が気になり始める。本谷からは雪が出て
シール登高に切り替えればこっちのものと次々に登山者を追い越して13:30涸沢ヒュッテ着。久々のヒュッテ名物のおでんで一杯。この日は20数人の客ですいている。夕方から一時雪が降り、翌日のコンディションを心配したがじきに止み、夜中にトイレに起きた時は満天の星空。

5/12快晴
天気予報通り快晴で穂高の山並みが一望。7年振りの残雪期の穂高で、このところ双六や立山に浮気をしていたがやはり穂高はいい。
7:00スキーを担いで出発。すぐに汗が噴出しTシャツになる。アズキ沢の途中から直登ルンゼ下部が見えるが雪崩後のスジがあり斜面が荒れていて少し不安。穂高岳山荘前で休憩し奥穂山頂に向かう。ハシゴ場ではスキーが岩に当たり難儀する。その後無風の稜線に出てから問題ない。登山者が2人昼寝をしている。「どこを滑るんですか?」「直登ルンゼ」という答えに三浦雄一郎が滑ったところ?と意外に詳しい。
10:10山頂着。頂上には小屋で一緒だった登山者が一人祠の上で展望を楽しんでいる。こっちは一目散に直登ルンゼを覗く。奥穂には何度も登っているがスキーを意識したのは始めてでまずはルート確認。山頂祠の真下から一気に下っており、出だしは今まで滑ったどの斜面より急である。その後、写真を撮りながら景色を堪能。それにしても今日は条件が良くポカポカ陽気である。
10:30いよいよ滑降開始。滑ろうと思った瞬間から急に極度の緊張感である。思えばこの2年間、常ににこの瞬間を意識してきた。登山にのめり込むきっかけとなった穂高。その山頂からスキーで滑る。それは自分にとっての集大成である。最初は憧れ、そしていま現実の目標になった。
慎重に祠の真下にトラバースぎみに滑り込む。かなりの高感度である。転倒は絶対に許されない、その時はまっさかさまにルンゼの岩に激突である。山側はたっているだけで手が当たりそうでストックが邪魔になる。谷側は逆に斜面が遠くターンのきっかけがつかめな。意を決してジャンプターンをする。この瞬間、ダブルストックできっかけをつくり着地。「決まった」何とか転倒を免れる。反動で5mほどズリ落ちる。次のターンでは2mほどズリ落ちる。
「よし、なんとかなる」t確認。次の瞬間から一気にジャンプターンの連続滑降。菊池氏の著書にあるように鳥が舞い下りる感覚。まさにスキーは魔法の翼だ。
途中、振り返ると祠の上でギャラリーが1名手を振っている。その後、アズキ沢と合流してからは少し涸沢方面に下って北穂沢へトラバースし休憩。
11:15次の目標である北穂を目指す。12:30この上はデブリだらけでスキーに適さないと言い訳をつけて
2800m付近から2回目の滑降開始。ヒュッテにデポした荷物を回収し本谷まで滑る。その後スキーを担いで下り
この日は徳沢園泊まり。風呂で汗を流し、今日の感動に浸りながら飲むビールは最高。

5/13快晴
上高地までの通い慣れた道であるが、目的を達成してから見ると緑いっそうがまぶしい。
沢渡で温泉に入り帰宅。